実包・弾丸について

最終更新日:(初版:2014年10月23日)

実包・空包とは 実包または装弾とは弾丸・火薬・薬莢・雷管などから構成されていて、薬室等に装填すればすぐに発射可能な状態になっている火工品のことをいいます。散弾銃には散弾実包・スラッグ実包・その他ゴム弾の実包等、ライフル銃にはライフル実包、空気銃には空気銃弾がそれぞれ用いられます。一方、空包とは実包から弾丸を取り除いたもののことを言います。

最大到達距離と最大有効射程距離 弾丸の飛距離は素材等によって異なりますが、一般に初めの速さ、発射角度及びその他初期条件を一定にした場合、弾丸の質量が大きいほど飛距離が長くなります。角度を変えた場合においては、発射角度が20°〜35°(散弾実包では20°〜35°、ライフル実包では32°〜35°)のときに飛距離が最大になります。飛距離については、殺傷力の有無を問わずに弾丸が最も遠くまで飛んだときの距離を最大到達距離、獲物を捕獲できる最も遠い距離を最大有効射程距離と呼んで区別します。

目次

1 散弾・スラッグ実包と弾丸

散弾実包の種類 散弾実包とは、散弾銃に装填してそのまま発射可能な状態の火工品で、プラケースの薬莢・散弾・ワッズ・火薬・雷管部分で構成されており、薬莢の口が開いたときの長さによって23/4インチ(70mm)・21/2インチ(65mm)・3インチ(75mm)のものに類別されます。さらに薬莢の長さに加えて、その直径によって12番・14番・16番・20番・24番・28番・32番・410番に分けられます。ここで散弾銃の口径が n 番であるとは、1/n ポンドの鉛製の球を発射できる内径を持つことをいいます。よって、数字が小さくなるほど実包の直径は大きくなります。(n 番のことを n ga(gauge の略)と書いたりもします。)日本では12番・20番・410番の散弾実包が一般的です。例えば、トラップやスキートなどのクレー射撃では12番の散弾実包が一般的に使われています、昔は薬莢が紙でできていたので、その名残りから適合実包欄に「20番紙薬莢」などと書いくことがあります。

番径の比較図
図1: 散弾実包の番径の比較
左から10番・12番・16番・20番・28番・410番
http://www.federalpremium.com/ より)
散弾実包の断面図
図2: 散弾実包の断面図

散弾の種類 散弾実包には散弾と呼ばれる弾の集団が詰まっています。この粒の大きさは○号などと表されますが、数字が小さくなるほど散弾1粒の直径が大きくなります。散弾の飛距離は番径ではなくこの散弾自体の大きさ・素材に依存します。散弾の号数は競技や対象の狩猟鳥獣に合わせて選びます。実包の中に入っている散弾の量ですが、12番の場合 30〜33 g、35〜43 g(ベビーマグナム)、53 g(3インチマグナム)等ですが、トラップ射撃の場合は国際ルールで 24 g と定められています。

鉛製散弾の最大到達距離と最大有効射的距離
JIS での名称 /mm通称最大到達距離 /m最大有効射的距離 /m用途
-スラッグ(12番)700100クマ、イノシシ、シカ
8.600B51550イノシシ、シカ
4.5BB34050中型獣、カモの沖撃ち
4.01号31550
3.752号30050
3.53号29050カモ、ノウサギ
3.254号27550
3.05号26545キジ、ヤマドリ、カモの近射
2.756号25045
2.57号24040コジュケイ、キジバト、ヤマシギ
2.417.5号23540トラップ射撃
2.258号22540コジュケイ、キジバト、ヤマシギ
2.09号21040スキート射撃、タシギ
1.7510号19540スズメ

1.1 スラッグ弾について

散弾銃で発射可能な弾丸の中にはスラッグと呼ばれる一発弾のものがあります。スラッグ弾は

  • ライフルド・スラッグ
  • サボット・スラッグ

に分けられ、これらは狩猟においてはイノシシやシカなどの大型獣類を仕留めるため、標的射撃においては静止した紙の的やランニング・ターゲットを撃つために用いられます。

サボット・スラッグ スラッグ弾のうちサボット・スラッグとは、弾の周りにプラスチック製のカバーがあるもののことをいいます。これをハーフライフルで発射することによってプラスチック製のカバーが銃腔内のライフリングと噛み合い、通常のスラッグ弾よりも命中精度が良くなり飛距離が伸びます。(プラスチックのカバーは銃口から出たら弾から外れます。)

1.2 散弾実包・スラッグ実包の価格

散弾実包の国内での値段ですが、12番が1発40円前後・20番が1発50円前後・410番が1発110円前後・スラッグ弾が1発300円前後です。サボット弾はさらに高くて1発600〜800円程度、あるいは1000円近くです。また鉛の弾を使った実包よりも無毒性散弾を用いた実包のほうが値段が高いです。

1.3 無毒性散弾

最近は鉛製の散弾の代わりに、環境への影響が少ないとされている無毒性散弾が使われることもあります。無毒性散弾の中でも鉄系散弾を使う場合はスチール散弾対応銃とスチール散弾対応のチョークが必要です。さらに薬莢などにも特別なものが使われています。また反発力が強いので、硬い岩石や地面、水面等への発砲は避け、硬いので獲物を食べるときは注意する必要があります。長期の保管、とくに水分が付着したまま保管すると団塊状になり危険です。鉄系散弾は鉛製散弾に比べて密度が小さいので、同じ号数で比べると殺傷力も小さくなります。

2 ライフル実包と弾丸

3 空気銃の弾丸